ここでは大工さんと型枠大工の職人って何が違うの?
ということを簡単に説明します。
型枠大工と大工(木造大工)は違う
一般的に大工さんと呼ばれる職業は、木造大工のことを言います。
では、木造大工と型枠大工は何が違うのか。
ということを簡単に説明すると
・木造大工 = 木造建築
・型枠大工 = コンクリート建築
というように分類されます。
ちなみに木造大工は「建て方(たてかた)大工」とも言われますが意味は同じです。
型枠大工と木造大工の仕事の違い
木造大工は、木材を加工して柱を組み上げ木造の家を作ります。
対して型枠大工は、型枠を組み、そこに生コンクリートを流し込んでコンクリートの建造物を作ります。
一般住宅の基礎や、マンション・アパート、ビルなど、コンクリートで建てる建物は全て型枠大工が関わっています。
木造大工も型枠大工も、トンカチや丸ノコやインパクトドライバーを使いますが、
木造大工は梁(はり)や柱を加工するために使い、型枠大工は型枠を加工し、組み上げるために使用します。
一般的に大工というと木造大工を思い浮かべるのは、
私たちが暮らす住宅を建てる工程のほとんどに木造大工が関わっているからでしょう。
木造建築は木造大工と造作大工の2種類ある
あまり深堀すると、混乱するかもしれませんが、
木造建築には、2種類の大工が関わっています。
木造大工(建て方大工)
一般の木造住宅の柱や屋根など構造躯体から内装まで木造建築物を作る大工。
一般的に「大工さん」と親しまれる職業
造作大工
造作大工は内装系がメイン。
学校やビル、店舗、マンションなどコンクリート建築に関わる内装をメインにしています。
また、内装リフォームは木造大工より造作大工の仕事。
・木造建築は木造大工
・コンクリート建築・リフォームの内装は造作大工
簡単に分類すると上記のようになります。
この木造大工と造作大工の違いをはっきりと線引きするのは、実は曖昧でして…
というのも、工務店や建設会社の協力会社(下請け企業)に造作大工と
木造大工を別々の業者に発注しているのか、という問題も関わってきます。
なので、木造大工だけどビルやマンションの内装もやる場合があるよ。
という会社もあれば、元請けがハウスメーカーで一般住宅しか手掛けていないなら木造大工という事になるでしょう。
後者は100%木造大工と言えますが、造作大工と木造大工をはっきり分けるのは難しいです。
大工にもリフォーム・新築などで技術が違う
少し細かい話をすると、大工さんにも技術的な違いがあります。
2×4(ツーバイフォー)住宅を専門に手掛けている大工、新築物件だけを手掛けている大工、
リフォームばかりを手掛けている大工で技術の違いがあるそうです。
2×4は一般的な住宅と構造が違うので、新築物件とは勝手が違うといいますし、
新築しか手掛けていない大工さんは、古い家屋のリフォームなんかは
「この梁(はり)を抜いていいのか」という判断も難しいと言います。
どんな業界にも言えると思いますが、大工さんにも得意分野と不得意分野があるという事です。
型枠大工の仕事内容
型枠大工は、平面に描かれた図面を立体にすることから始まります。
・立体的に寸法を出す
・寸法に合わせて型枠を作成する
・作成した型枠を現場で組みあげる
・型枠に生コンクリートを流す
・コンクリートが固まったら型枠をバラす
という工程になります。
扱っている材料は主に型枠で、
これは木材ですが、
完成品がコンクリート建造物になります。
型枠大工にも2種類ある
型枠大工とひと口に言っても、仕事内容は大きく2種類に分けられます。
建築系型枠大工
建築系型枠大工は紹介した通り、ビルやマンション、アパートや一軒家の基礎、
店舗などコンクリート建造物を作るのに関わる仕事です。
土木系型枠大工
対して、土木系型枠大工は橋や橋脚、河川やトンネルなど
土木工事の領域でコンクリート構造物を扱う仕事です。
高速道路の橋や新幹線の線路なども土木系型枠大工の仕事です。
まとめ
ここまで型枠大工と大工の違いをご紹介してきましたが、いかがでしたか。
一般住宅は型枠大工が家の基礎を作り、その基礎の上に木造大工が家を建てます。
また、コンクリート建造物には鉄筋が入っていますが、その鉄筋を組むのは鉄筋屋です。
ある意味、型枠大工と鉄筋屋は切っても切れない関係と言えます。